※この画像はESAの規約[esa.int]に基づいて利用しています。
ESA Cassini-Huygens[esa.int]にもっとサイズの大きな画像や、ホイヘンスのマイクが拾った音などがあります。
探査機ホイヘンスが送ってきたタイタンの画像を見て思ったこと。
荒涼とした大地と、水蒸気の靄とは違う埃っぽく霞んだ空。
死の匂いがする星、というのが正直な感想だった。
タイタンの表面温度は−179度。もちろん地球にいるような生物が住めるような環境ではないことはわかっていたが、メタンの海があり生命の起源に迫るなど前評判が高かっただけにちょっとガッカリだ。
報道では、
NASAジェット推進研究所の科学者は「タイタンは予想以上に地球や火星に似ている。地球だけが特別な星ではなかった」と話している。
とあった。
火星には似ているような気はするが、地球に似ているようには思えない。
まあ、仮に宇宙から探査機がやって来たとして、着陸したのが砂漠のど真ん中だったら「生物らしきものは見あたらない」なんて言われたりするかもしれないが。
ホイヘンスの電源は順調でも着地後30分しか保たない。
約7年の長旅の末に役割を終えた今、この大地で静かに眠っている。
(2005 January 17)
続報。
上の記事を書いた後にホイヘンスから届いた写真が続々と公開された。
タイタンは確かに我々地球上の生物から見たら死の世界だが、メタンの雨が降り[asahi.com]、川が流れ[yahoo.co.jp]、泉が湧く[mainichi-msn.co.jp]などの兆候があり、それなりに豊かな表情を見せてくれている。
また、読売新聞のこの記事[yomiuri.co.jp]によれば、
ホイヘンスは2つあるデータ回線の1つが故障するなどしたものの、350枚の画像を含む大量のデータを、軌道を周回中の土星探査機カッシーニを介して3時間44分にわたり送信した。
のだそうだ。これらのデータから何が判明するか楽しみだ。
追記。
液体のメタンが存在するということで、気になるのはメタンの化学的性質。
環境用語集[eic.or.jp]によると、
有機物が嫌気状態で腐敗、発酵するときに生じる、融点−184℃、沸点−164℃の無色の可燃性気体。化学式は、CH4。
もちろん気圧が変われば融点や沸点は変わるので何とも言えないが、タイタンの表面温度は−179度なので、液体メタンがあっても不思議ではない。
しかし気になるのはここから先の文章。
有機性の廃棄物の最終処分場や、沼沢の底、
家畜の糞尿、
下水汚泥の嫌気性分解過程
などから発生する。
タイタンの画像と音(1[esa.int]、2[esa.int])はESA[esa.int]で公開されているが…
臭いは公開されてもありがた迷惑かもしれない。
新聞社の記事がリンク切れになった時に便利。
(2005 January 23)
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