全国に大きな被害をもたらした台風21号が、沖縄近海をウロウロしているその時、沖縄に行ってきました。
出発当日、目的地の沖縄本島は幸運にも暴風域からわずかに外れており、飛行機は予定通り運航していました。その前日に午後からの臨時便を除き全便欠航していたことを考えると奇跡です。
さっそく搭乗手続を済ませて飛行機に乗り込むと、すぐ近くの席に安田大サーカスのHIROさん似の男性が、そのグループの他のメンバーとおぼしき人達と一緒に座っていました。
あまり面白かったので連れに教えようかと思いましたが、が、が…
通路に投げ出された丸太のような脚に危険な雰囲気の模様があるのを見て、すんでのところで言葉を飲み込みました。
さりげなくその付近の席にいる方々の様子を見ると、もれなく腕や脚にステキな絵柄が入っていました。
こ、この人達ヤ○ザ大サーカスだっ!
…大丈夫、那覇空港に着くまでの辛抱だ。
飛行機は秋雨前線と台風の影響で多少揺れたものの、大きなトラブルもなく無事に那覇空港に到着しました。
そして気を取り直して参加するツアーの貸切バスに乗ると…
大サーカスご一行様も同じバスでした(泣)。
とりあえず、目を合わせないようにしてどうにか3日間やり過ごすしかありません。
しかも、ある意味ヤ○ザより怖い台風21号が沖縄近海に停滞しています。
いつ暴風雨に襲われるか分からないという悪条件の下、いざ那覇市内観光へ出発しました。
現地での台風情報は空港や観光地の貼り紙、ホテルで配られる案内のチラシなどはあるものの、テレビでは通常ニュースの画面にテロップが出る程度でした。情報の少なさにやきもきさせられましたが、首里城公園、金城の石畳、那覇市の中心街・国際通りなどの定番どころを見て回る間、ほとんど雨は降ってきませんでした。
旅行最終日には台風一過の晴天に恵まれましたが、部屋でテレビをつけると番組の予定を変更して台風情報を流していました。
その時は連れと一緒に「沖縄は蚊帳の外でいいのか?!」と憤慨しましたが、あとで各地に大きな被害があったことを知って驚きました。
2日間以上にわたって暴風圏のすぐ近くにいて何ともなかったのは今思うと奇跡です。
幸運なことに今回の旅行では大きなトラブルもなく、ネタの収穫も国際通り入口のシーサーがくわえタバコをしていたさせられていた(よりによってシーサーの口の中に吸い殻をポイ捨てするとは…)以外は特にありませんでしたが、観光情報の方の収穫はバッチリです。
まずは牧志の公設市場付近にあった「夕凪[tabinchu.net]」というお店にあった紅芋ゴーフレットは、軽くて値段の割にはそれなりに大きさもあり、義理のお土産にもピッタリです。シークヮーサージュースも1500mlで950円と、この付近で一番の安さでした。
国際通りの御菓子御殿[okashigoten.com]もなかなか良いです。
紅芋タルトなどの箱入り菓子も良いのですが、安くておいしそうな生ケーキ(ロールケーキ一本分で何とたったの1050円!)もあるので甘いものがお好きな方は要チェックです。
さらに鉄道ファンなら一度は行ってみたい(?)のがこちら。↓
ゆいレール那覇空港駅改札
碑部分の拡大
那覇空港駅の改札には日本最西端の駅を示す碑があります。
この時は帰りの飛行機に乗るために那覇空港駅に降りたところだったため確認する時間はありませんでしたが、沖縄より南には鉄道はないので、最南端の碑もゆいレール、地図で見る限りでは赤嶺駅にあると思われます。
そして…今回のグランプリ(個人的に)は「まんじゅまい[google.co.jp]」です。
まんじゅまい外観
表通りから一本入ったところにあり、あまり大規模なお店ではありませんが、安くておいしい沖縄家庭料理を食べさせてくれます。
満員だと困るので窓から様子を覗くと、かりゆしシャツを着た男性客らで賑わっていたものの、空席はあったので入ってみました。
地元の人で混んでいる店なら味の方も期待できそうだと、連れがゴーヤチャンプルー定食+沖縄そばのセット、私が豆腐チャンプルー定食+沖縄そばのセットを注文してみると…。
ゴーヤチャンプルーには卵が入っていないので苦みが利いてゴーヤ本来の味が生きていました。豆腐チャンプルーは野菜がたくさん入っていてヘルシーで懐かしい味。そして沖縄そば…小口切りの万能ネギや紅ショウガなどの薬味の風味としっかりした味の出汁が何とも言えません。
文句なしの大当たりです。
翌日もう一度行って、今度はまんじゅまい(パパイヤ)炒めとソーキそばを注文してみました。
パパイヤ炒めは食感が珍しいのですが普通に野菜として食べても全然違和感はなく、食べやすかったです。
ソーキそばは、よく煮込まれた豚の軟骨つき肉が絶品。コクがあるのに全然しつこくなく、口の中でとろりと溶ける感じがたまりません。
結局その翌日、東京に帰る前にもソーキそばを食べに行きました。
この他にも、白味噌風味のヘチマの炒め物、赤味噌のたれで食べると味噌田楽風味になる自家製ゆし豆腐、甘酸っぱいシークヮーサージュースなどもお勧めです。
いいことばかりではなく、たまにはハズレもあります。
まず気をつけた方がいいと思ったのは、「送料無料」という貼り紙のある某泡盛店。
実際には梱包代(650円)と割れ物代(380円)がかかりました。
まあ、ここでしか売っていない銘柄も多いので買っても損はないのですが、何だか騙されたような気になります。
そして…泡盛。今回の旅行はトコトン泡盛に泣かされてますな(苦笑)。
某所にて「あたかも泡盛博物館」という触れ込みで紹介されていますが、あくまでも販売店ですので博物館巡りのつもりで行くと期待外れになる可能性が高いです。
それでも、そこで買った島とうがらしの泡盛漬け(現地ではコーレーグースと言うらしいですが、我が家での愛称は”しまとん”)はかなり重宝しています。コーレーグースは同じような外見でも美味しいのと不味いのがあるそうですが、ここで買ったのは結構いけるので、行っておいて良かったかもしれないと思っています。帰りに駅までの道を聞いてアドバイスに従ったら”最寄り駅”まで延々一時間以上歩かされたけど。
そこで売っていた泡盛は種類は多いですが、中には他の地方で普通に買えるものもありました。(東京・長野・愛知は確認済み。あ、通販なら全国どこからでも買えますね。)
贈り物やお土産にはやはり現地でしか手に入らない物を探したいところですが、時間に余裕がなければ交通の便の良い国際通り付近のお店(一部、試飲のできるところもあります)を何軒か探して回った方が効率が良いことは確かです。
しかし、何としても座敷に座って試飲したいという方は、訪問してみるのも一興です。
ちなみに値段だけなら現地の人が行くスーパーが一番お値打ちでしたが、家まで持って帰る手間を考えると…。
もう一つ、何だか複雑な気分にさせられたことがあります。
ゆいレールの奥武山駅から、漫湖公園へ行ってみた時のことです。
漫湖公園入口付近。
少々見えづらいが画面右下(矢印)に野鳥がいる。画面左の電車はゆいレール。
ラムサール条約で保護された干潟のある場所ですが、残念なことに案内の看板によると湖に流れ込む国場川の水質汚染が進んでいて鯉が住めるかどうかというところでした。
岸辺に降りてよく見ると、ビニール袋や空き缶が岸辺に流れ着いていたり、水面をペットボトルが流れていくのが見えたりしていました。
ベンチの近くにはゴミ箱がありましたが、二つあるゴミ箱のうち一つは、変な配管チューブのようなものが大量に捨てられていて満杯でした。
東京の公園などにもゴミ箱に家庭ゴミを捨てないようにという注意書きをたまに見かけますが、沖縄でも事情は変わらないようです。
清流や豊かな自然環境が戻ればここも市民や観光客の憩いの場になりそうなのに残念です。
実は、ゴミのことを差し引いても干潟はあちこちに土の塊のある泥田のようで見た目はあまり綺麗ではありませんでした。
しかし、しばらく観察しているうちに、茶色い小さな野鳥が2羽訪れて水辺で遊んだり、青い脚と鮮やかな黄色の足先をした白いサギのような鳥が舞い降りて岸辺で魚を捕って食べたり羽繕いをしたりするなど、干潟に残る豊かな生態系の一端を見せてくれました。
最後に天体の話題を少々。
上は那覇市内で撮影した中秋の名月、下は帰りの旅客機内で撮った夕日です。
飛行機が東に向かって飛んでいたため、夕日が信じられない速さで”雲平線”に沈んでいくのが見えました。
また、写真には撮れなかったのですが、日没後しばらくすると昇ってきたばかりの十六夜の月が見えました。飛行機に乗っていると地平線が低く感じられるため、体感的には月を見下ろしているような感じで不思議な眺めでした。
(2004 October 3)
※ 若干加筆修正しました。
(Last Revised:2009 September 1)
Copyright©2009 StarryPlanetProject.All rights reserved.