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2005年5月の宙(そら)

このコンテンツで使われている星図は天文シミュレーションソフトウェアステラナビゲータVer.7[asciisolutions.com]を用いて作成しています。また、星や星座の名称を後からペイントソフトで付け加えるなど、見やすいように若干の加工を施している場合があります。(むしろ無加工の場合の方が少ないです。)

今月の新月8日・満月24日

記号の意味はこちら

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上図は5月15日20時30分・東京の星空です。1日では21時30分に同じような星空を見ることができます。31日では19時30分頃の星空に相当しますが、まだ空が明るい(天文薄明)ため同じようには見えません。

今月は季候も良く大型連休もあり、星を見るにはよい時期です。
ゴールデンウィークを利用して旅行をする方は、ぜひ旅先で夜空を見上げてみて下さい。少し郊外に出るだけでも思いの外たくさんの星座が見つかるかもしれません。
そこで、今回は春の夜空の目印を幾つか紹介したいと思います。

北天の星座・おおぐま座が北の空よりもほぼ真上を探した方が見つけやすいほど高く昇っています。
熊の腰から尻尾にかけて、箱形に並んだ星(桶)とその横に三つ並んだ星(柄)を結ぶと柄杓(ひしゃく)型の星の並びで有名な北斗七星です。
この柄杓の柄のカーブに沿って延長線を伸ばしていくと、明るいオレンジ色の星・うしかい座の一等星アルクトゥールス(アークトゥールスとも)に差し掛かります。更に線を延ばしていくと、明るい白い星・おとめ座の一等星スピカが見つかります。
これらの星の並びは「春の大曲線」と呼ばれ、春の星座を探す目印の一つになっています。

春の星座の目印はもう一つあります。
今度は先程見つけたアルクトゥールスとスピカを目印に、ほぼ正三角形になるもう一つの星を探すと、二等星のデネボラが見つかります。一等星よりはやや暗いものの、周りの星よりは明るいため目印になります。
これらの星を結んだものが「春の大三角」です。
デネボラはしし座の尻尾に当たります。近くを探すと、“?”マークを裏返した形の星の並びが見つかるはずです。これは“獅子の大鎌”とも呼ばれる、しし座の頭の部分に当たります。ここから付近の星を結ぶとしし座の完成です。

また、春の大三角の近くのほぼ真南の空にはからす座が見えます。この小さな四角形は嘘をついた罰で夜空に磔(はりつけ)にされたカラスを留めている銀の鋲とも言われています。
このからす座のさらに南、地平線のすぐ下には有名な南十字が沈んでいます。東京からは残念ながら見えませんが、日本でも八重山諸島辺りまで行けば地平線(水平線?)すれすれに顔を出した南十字を見ることができます。

恒星以外の天体では、おとめ座にある木星の観望好期が続いています。20日には月が近くを通ります(木星:7時22分に月の北0°22′)。
その他の惑星では、13日の夕方に土星と月が接近して見えます(土星:22時1分に月の南5°05′)。
2日と31日の未明には月と火星が仲良く昇っているのを見ることができます(火星:2日23時55分に月の北2°43′/31日18時16分に月の北0°31′)。

また、6日の8時にみずがめ座η流星群が極大となります。
この流星群は北半球での見え方は今ひとつですが南半球では好条件で観測できます。今年は月の影響もあまり受けないため、この時期に旅行などで南半球にお出かけの方はチェックしてみて下さい。
母天体は76年周期で地球に接近するハレー彗星です。流星群よりもこちらの方が知名度が高いかもしれません。
ちなみにハレー彗星の次回の回帰は2061年7月です。ステラナビゲータVer.7[asciisolutions.com]のシミュレーションでは前回(1986年)の時と異なり日本を含めた北半球の中緯度付近で観測条件が良好なはずですが…いずれにせよまだ半世紀以上先の話。“鬼が笑う”どころではありませんね。

参考資料

(2005 April 30)


☆凡例
同じ記号でも内惑星と外惑星とでは基準が異なります。
<火星、木星、土星(外惑星)の場合>
◎…(日常生活の時間帯を考慮して)21時に高度が50°以上ある。気軽に見ることができる。
○…21時に高度が30°以上ある。
□■…○の条件は満たさないが、天文薄明(太陽高度-18°まで・太陽からの光が完全になくなり、6等星が夜空で見分けられる)が終了後/開始前の間(要は空が充分に暗い時間帯)に高度が30°以上ある。日没後に見える場合は□、日出前なら■。
△▲…天文薄明終了後/開始前の間に高度が10°以上ある。見通しの良い場所ならば見えるかも。日没後に見える場合は△、日出前なら▲。
×…天文薄明終了後/開始前の間に高度が10°未満。見かけ上太陽の近くにあるため見えづらい、あるいは全く見えない。

<水星、金星(内惑星)の場合>
○●…日没/日の出時に高度が15°以上。内惑星としては好条件。日没後に見える場合は○、日の出前なら●。
□■…日没/日の出時に高度が10°以上15°未満。周りに高い建物がなければ観望が可能。日没後に見える場合は□、日の出前なら■。
△▲…日没後/日の出前の空低く見える。日没/日の出時に高度が5°以上10°未満。観望条件は良くない。日没後に見える場合は△、日出前なら▲。
×…日没、日出時に高度が5°に満たない。

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