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2005年3月31日・アンタレス星食

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2005年3月31日未明に月(月齢20)が火星の一等星アンタレスを隠す現象(星食)が起こります。
星食自体はそれほど稀な現象ではありませんが、今回のように一等星が隠される様子を観測できるチャンスは貴重です。
上図は0時25分頃(東京)、星食が始まる数分前の星空です。今回の主役・月とアンタレスは南東の空低く輝いています。

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上図はアンタレスを中心にした東京での月の動きを表わしています。

今回は満月後の月で観察するため、星は明縁側から潜入し、暗縁側から出現します。この場合、出現予報時刻の数分前から星が出現する場所を予測しながら月の暗縁側を観測することになります。
また、星食が起こっている間のアンタレスの高度は13°(潜入)〜22°(出現)とあまり高くならないため、南東方向に高い建物などのない、開けた場所で観測することが必要です。

各都市ごとの潜入、出現予報時刻は以下の通りです。

天文年鑑による予報
東京:潜入0時29分/出現1時40分
札幌:潜入0時33分/出現1時44分
福岡:潜入0時26分/出現1時23分
その他の都市
(ステラナビゲータによるシミュレーション結果)
仙台:潜入0時30分/出現1時43分
名古屋:潜入0時27分/出現1時35分
大阪:潜入0時27分/出現1時32分
各都市での見え方
札幌仙台 名古屋
大阪 福岡

また、沖縄本島南部では0時51分にアンタレスの接食が起こります。
接食は月の縁すれすれを星がかすめる現象です(実際には月の方が空での見かけ上の動きが速いため「月がある星を隠すか隠さないかの絶妙な位置でその星の脇を通過する現象」と言った方が良いかもしれません)。星が月の縁の凹凸によって見え隠れするため、瞬いて見えます。
下図は接食予報時刻の那覇市の星空です。

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なお、アンタレスの近くには6.4等と比較的明るいM4球状星団(NGC 6121)があります。双眼鏡や望遠鏡で観察なさる方は星食/接食観測の合間に探してみるのも面白いでしょう。

(参考文献:天文年鑑2005年度版、ステラナビゲータVer.7[asciisolutions.com]。)

(2005 March 3)


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