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2005年2月19日・おうし座136番星の星食

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上図は2月19日0時17分・東京の星空です。
この時、おうし座136番星(4.6等級)が月に隠される現象が起こります。
”昼行性”の方々が起きているかどうか微妙な時間帯ですが、ラッキーなことにこの日は土曜日。会社や学校がお休みの方は少々夜更かししても大丈夫でしょう(?)。

夜遅い時間帯のため、冬の星座はすっかり西に傾いています。
今回の主役、おうし座136番星はポルックス、カペラ、ベテルギウス、アルデバランに囲まれた位置にありますが、月を目標に探せばよいのでさほど苦労はしないはずです。
ただし高度がだいぶ下がっていますから、西側の見通しがよい場所の方が観察しやすいでしょう。

星食とは月が星を隠す現象です。月は約27.3日で天球を一周し、星空の中を動いているためにこのような現象が起こります。
今回は満月前であるため、星は月の輝いていない側(暗縁側)から隠されます。この場合、観察していると星の光が消える(潜入)のがわかります。
1時21分頃、月の輝いている側(明縁側)から再び見えるようになりますが、こちらは月明かりの影響で暗縁側の現象に比べるとはっきりとした時刻がわかりづらいです。

0502190017detail.jpg左図は0時17分頃からの東京での月の動きを表わしています(1枚の画像に収めるために途中の動きを一部省略しています)。
予報によると、札幌では0時07分、福岡では0時19分から観測されることになっています。その他の都市についてステラナビゲータでシミュレーションしたところ、仙台0時12分頃、名古屋0時16分頃、大阪0時17分頃、那覇0時46分頃、宮古、八重山地方では残念ながら観測できませんでした。

観察方法は、予報時刻の数分前に月のすぐ東側の星を見つけ、それが消えるまで追い続ければよいので比較的簡単です(もっとマニアックに観測地点を正確に求め、時報を聞きながら時刻を正確に測定するなどしてデータとしての価値を高める方法もあります)。

月の表面は平らではなくクレーターなどの凹凸があるため、星の晄は瞬くようにして消えていくように見えるかもしれません。このことを利用して、星食をたくさん観測して月の縁の地形を精密に測定することも行われています。

(参考文献:天文年鑑2005年度版、ステラナビゲータVer.7[asciisolutions.com]。)

(2005 January 20)


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